22–23シーズン日本代表の冨安も所属するアーセナルは昨季と打って変わり開幕3連勝し暫定首位となっています。今夏はジェズスやジンチェンコなど積極的に選手を補強し、チーム全体のパフォーマンスも好調を維持しています。今回そんなアーセナルの22–23シーズンのメンバーやフォーメション、戦術を紹介していきます。
アーセナル(Arsenal Football Club)
創設年 | 1886年 |
ホームタウン | ロンドン |
ホームスタジアム | エミレーツスタジアム(収容人数60,432) |
愛称 | ガナーズ(The Gunners) |
国内タイトル | プレミアリーグ13回、FAカップ14回 |
ライバルチーム | トッテナム(ノースロンドンダービー) |
監督 | ミケル・アルテタ🇪🇸(2019〜) |
所属選手(22–23)
選手名 | Pos. | 生年月日 | 身長 | 国籍・代表 | 備考 |
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1 アーロン・ラムズデール🏴 | GK | 1998/5/14 | 188cm | イングランド代表 | |
30 マット・ターナー🇺🇸 | GK | 1994/6/24 | 191cm | アメリカ代表 | NEW(前 ニューイングランド) |
3 キーラン・ティアニー🏴 | LSB | 1997/6/5 | 178cm | スコットランド代表 | |
4 ベン・ホワイト🏴 | CB、RSB | 1997/10/8 | 182cm | イングランド代表 | |
6 ガブリエウ・マガリャンイス🇧🇷 | CB | 1997/12/19 | 190cm | ブラジル代表 | |
12 ウィリアン・サリバ🇫🇷 | CB、RSB | 2001/3/24 | 193cm | フランス代表 | 復帰(前 マルセイユ) |
15 ヤクブ・キビオル🇵🇱 | CB、LSB | 2000/2/15 | 189cm | ポーランド代表 | NEW (前 スペツィア) |
16 ロブ・ホールディングス🏴 | CB | 1995/9/20 | 189cm | イングランド | |
RSB | 1991/8/31 | 172cm | ポルトガル代表 | フラムへレンタル | |
18 冨安健洋🇯🇵 | RSB、CB | 1998/11/5 | 188cm | 日本代表 | |
35 オレクサンドル・ジンチェンコ🇺🇦 | LSB、DMF | 1996/12/15 | 175cm | ウクライナ代表 | NEW (前 マンチェスターC) |
5 トーマス・パーティ🇬🇭 | DMF | 1993/6/13 | 185cm | ガーナ代表 | |
7 ブカヨ・サカ🏴 | RMF、RWG、LSB | 2001/9/5 | 178cm | イングランド代表 | |
8 マルティン・ウーデゴール🇳🇴 | OMF | 1998/12/17 | 178cm | ノルウェー代表 | キャプテン |
10 エミール・スミス・ロウ🏴 | OMF | 2000/7/28 | 182cm | イングランド代表 | |
21 ファビオ・ビエイラ🇵🇹 | OMF、CMF | 2000/5/30 | 170cm | ポルトガル | NEW(前 ポルト) |
DMF | 1999/10/22 | 183cm | ベルギー | クリスタルパレスへレンタル | |
25 モハメド・エルネニー🇪🇬 | DMF | 1992/7/11 | 180cm | エジプト代表 | |
34グラニト・ジャカ🇨🇭 | CMF | 1992/9/27 | 186cm | スイス代表 | |
20 ジョルジーニョ🇮🇹 | DMF、CMF | 1991/12/20 | 180cm | イタリア代表 | NEW(前 チェルシー) |
9 ガブリエル・ジェズス🇧🇷 | CF | 1997/4/3 | 175cm | ブラジル代表 | NEW(前 マンチェスターC) |
11 ガブリエウ・マルティネッリ🇧🇷 | LWG、CF | 2001/6/18 | 180cm | ブラジル代表 | |
19 レアンドロ・トロサール🇧🇪 | LWG、CF、AMF | 1994/12/4 | 172cm | ベルギー代表 | NEW(前 ブライトン) |
14 エドワード・エンケティア🏴 | CF | 1997/4/3 | 175cm | イングランド | |
24 リース・ネルソン🏴 | CF | 1999/12/10 | 175cm | イングランド | 復帰(前 フェイエーノルト) |
RWG | 2003/4/7 | 175cm | ブラジル | ノリッジへレンタル |
新加入選手
アーセナルは今夏の移籍市場で積極的な補強を進め現時点で5名の新加入選手に加え、4名の選手がレンタルから復帰しています。
夏市場
- ガブリエル・ジェズス
- オレクサンドル・ジンチェンコ
- ファビオ・ビエイラ
- マット・ターナー
- マルキーニョス
- エクトル・ベジェリン(レンタル復帰)
- エインズリー・メイトランド・ナイルズ(レンタル復帰)
- ウィリアン・サリバ(レンタル復帰)
- リースネルソン(レンタル復帰)
冬市場
- レアンドロ・トロサール
- ヤクブ・キビオル
- ジョルジーニョ
22–23シーズン 基本フォーメーション
シーズン序盤
オフェンス時
アーセナルは基本的に4–2–3–1の形ですが、攻撃時にはボランチのジャカが高めの位置をとり4–3–3の形になります。パーティは低めのアンカーの位置に入りバランスを取ります。
昨シーズンレギュラーで出場していた冨安やティアニーは怪我の影響から開幕から3節は控えにまわって後半途中からの交代が多くなっています。新加入のジェズス、ジンチェンコにレンタル復帰のサリバがレギュラーとして出場しアーセナルの好調の要因となっています。
シーズン後半戦
シーズン後半戦、ジェズスの負傷離脱の影響が懸念されていましたがエンケティアの活躍や、冬に加入したトロサールが左WG、CF両方でプレーすることができジェズスの穴を完全に埋めることができています。
DFライン中盤の陣容は基本的に同じですが、ジョルジーニョの加入によりパーティ不在時にも高パフォーマンスを見せることができ選手層の底上げに成功した形です。
アーセナル戦術
アーセナルの基本的な戦術はボールを支配しゲームの主導権を握りボールを奪われた際には激しくボールを奪いに行き即時奪還を狙うスタイルです。フォーメーションは4–2–3–1の形ですが、攻撃時にはジャカが左のインサイドハーフの位置にポジショニングし4–3–3の形で前線に厚みを持たせて攻撃をします。開幕3節では右サイドでサカや、ホワイトがボールを持った際に逆サイドから飛び出す動きを見せており、かなり攻撃に比重をかけている印象です。実際に2節のレスター戦では得点もとり勝利に貢献しています。また右のサカも昨季よりも内側にポジションを取ることが多く、空いたサイドのスペースはホワイトが上がってくる場面も見られました。
このようにアーセナルは流動的に選手が動き空いたスペースを別の選手が埋めることで、バランスをとりパスコースを多く作ることでビルドアップしやすくしているのも特徴の1つと言えます。分かりやすいのが、左サイドバックのジンチェンコは攻撃時に中央に入ってポジションをとることが多く、サイドの空いたスペースをジャカがとるなど特にサイドでのポジションの入れ替わりがよく見られます。サイドバックの選手が内側にポジションを取ることで、相手がマークにつきにくく、サイド組み立てが詰まった際にも中央でボール受けることで逆サイドへの迂回経路ができるメリットがあります。
低い位置でのビルドアップでは、基本的にセンターバックの2人で繋ぎながら、パーティ、ウーデーゴール、ジャカなど中盤の選手へのパスコースを作り出します。場合によっては、GKのラムズデールを経由しながら相手の前からのプレスを回避していきます。現状ではホワイトが右サイドバックでの出場ですが、昨季センターバックで出場している試合では相手のプレスが来ない時、自らドリブルして運ぶ形も見られました。
ディフェンスの選手、GKのラムズデールを含め、どの選手も足元の技術が高いため相手のプレスに対しても落ち着いてパスを繋げている印象です。デフェンスラインから安定してビルドアップできるので攻撃にも人数をかけやすくボールも保持しやすくなっています。
守備時には、相手のセンターバックに対してワントップのジェズスからプレッシャーをかけに行き、さらにウイングのサカ、マルティネッリ、中盤のウーデゴール、ジャカが続いてボールを奪いに行き相手に息つく暇も与えない激しいデフェンスをします。今季の試合では前線からの守備でミドルサードでボールを奪うことでボール支配率はかなり高くなっているように見えました。
好調の要因である新加入の3選手
今夏に積極的に補強をしたアーセナルですが、その中でもジェズス、ジンチェンコ、サリバの3選手は開幕からレギュラーとして出場し、3連勝の要因となっています。
ガブリエル・ジェズス
今夏マンチェスターCから移籍してきたジェズスですが、今回の加入選手の中では1番チームにとって良い補強だったのではないでしょうか。昨季は、オーバメヤンの退団もありラカゼットがセンターフォワードのファーストチョイスとなっていましたが、低い位置での組み立てに貢献度が高い選手でしたが、あまり得点数は伸びない状況でした。そんな中でジェズスはプレシーズンから得点を量産しており現時点で3試合2ゴール3アシストと好調なアーセナルを牽引しています。
ジェズスは得点数から見て決定力の高さは言うまでもありませんが、得点以外でも中盤の位置でボールを受けて組み立てるのが上手くさらには、個人技での突破もあるためアーセナルにとって早くも欠かせない選手となっています。
オレクサンドル・ジンチェンコ
ジェズスと同じくマンチェスターCから移籍してきたジンチェンコはティアニーの怪我の影響もあり、開幕から3試合連続でスタメン出場しました。ジンチェンコは、所謂偽サイドバックと言われる基本的なサイドバックの位置よりも内側に立ちボランチのような役割でのプレーが得意です。元々中盤でのプレーもできる選手で足元に技術があるためジンチェンコが中でプレーすることにより左サイドから右サイドへのパス回しがスムーズになります。
守備時にはサイドの位置まで戻り相手の攻撃をシャットアウトするなど危機管理能力に優れているため左サイドの位置と中央でのプレーをバランスよくポジショニングできています。アーセナルはジンチェンコがいることで攻守ともに安定した試合運びができています
ウィリアン・サリバ
2019年にアーセナルに加入したサリバですが、サンテティエンヌ、ニース、マルセイユとレンタルを経て今季からアーセナルに復帰となりました。開幕から3試合連続でセンターバックで出場し、ポーンマス戦では見事なミドルシュートで勝利に貢献しました。
193cmと大柄でフィジカルが強く1対1の対人はかなりの強さがあります。空中戦だけでなく縦へのパスも上手くビルドアップでも落ち着いてゲームを組み立てている印象です。サリバの加入により手薄だったアーセナルのDF陣が選手層が厚くなり好調の要因となっています。
まとめ
今回開幕から3連勝と良いスタートをしたアーセナルのフォーメーション、戦術について解説しました。アーセナルは4–2–3–1から4–3–3へ可変するシステムでまたサイドバックは中央よりにポジションをとり空いたスペースにはインサイドハーフの選手が降りてきてスムーズなポジションチェンジが見られます。選手が流動的に動きパスコースを多く作ることで主導権を握って勝利につながっています。また今夏に加入した選手が躍動し、特に時ジェズス、ジンチェンコ、サリバの3選手は大きな補強となりました。
開幕3試合の好調がキープできればチャンピオンズリーグ出場だけではなくプレミア優勝も狙えるかもしれません。今後、冨安の出場も含め期待が膨らむクラブチームです。
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